代表挨拶

Task Analysis を直訳すると課題分析ですが、臨床における「課題分析」とは?どのように捉えていくべきか日々考えさせられます。医療保険・介護保険が適応となっている現場では、日常生活動作、アクティビティ、課題が包括的に捉えられ、「できる・できない」で評価し、定量化していくことが求められていることが少なくないと思われますが、本当にそれだけで良いのでしょうか?

私の考える「課題分析」は、対象者個人の心身機能(個別性)、生活環境や職場環境、課題の特性と難易度等の相互関係を熟考し、潜在能力や課題達成の可能性を見出すことです。
そのためには、対象者の訴えや症状から病態を推測し、仮説に基づいて適切な課題・環境を選択し、最も効率の良い介入を決定していくクリニカル・リーズニング(臨床推論)が重要となります。さらに重要なことは、姿勢‐運動制御を背景にした動きの連続性(運動連鎖)・順序性(手順)・効率性・多様性など、「課題遂行における姿勢と運動の質」を分析することだと考えています。言い換えると、動きの構成要素を分析し、主要な問題点に介入をすることで実用的機能の獲得を目指すことであるといえます。
臨床推論は対象者が今まで生きてきた環境・課題・個人因子(病気や怪我)は勿論ですが、セラピスト個人の経験や知識・技術が良くも悪くも反映されます。個別性を尊重し、対象者の潜在性と可能性を導き出すためには、日々の臨床で臨床推論の積み重ねが大切となります。エビデンスやガイドラインに推奨されていることを実施することは大切ですが、それだけでは解決できない問題や課題が臨床現場では多々あります。私たちセラピストは、ただ単に目標とする課題を繰り返すだけの介入とならないようにセラピストが目の前にいる対象者のことを考えて工夫をすることが必要だと思っています。

本講習会に参加された皆様が「Task Analysis」の持つ意味を再考する機会となれば幸いです。目の前にいる対象者の生活を変えるために挑戦していきましょう!

タイトルとURLをコピーしました